ぶどう(葡萄/ブドウ)のページ
基礎データ
- 分類:ブドウ科ブドウ属
- 原産地:中近東地方
- シーズン:6月~10月頃
- 主な産地:山梨、長野、山形
ブドウの品種はとても多く、世界には10000種以上のブドウが存在するといわれます。このうち日本では主に30~40種類が商業栽培されています。
また、ブドウは果皮の色によって「赤」、「黒」、「緑」の3つに分類されます。赤は「甲斐路」や「安芸クイーン」など、黒は「巨峰」や「ピオーネ」などが有名です。また緑は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」や「ロザリオ・ビアンコ」などがあります。
果皮の色は、未熟なうちはどれも緑色ですが、成長の過程で赤や黒の色素が作られていきます。そのために果皮の色が違ってくるのです。なお緑系のブドウは色素が作られないため、熟しても緑色のままです。
目次 Index
▼ブドウについて調べる
▼ブドウの種類を知る
▼ブドウの統計データを見る
▼ブドウの写真を見る
ブドウの歴史
ブドウの歴史は紀元前4000~3000年と古く、古代エジプトの壁画にも栽培の様子が描かれています。日本への渡来ルートは、中近東地方から古代ヨーロッパ、その後シルクロードを横断して中国へ、そして奈良時代に中国から日本に伝わったといわれています。山梨原産の「甲州ぶどう」は、鎌倉時代初期にはすでに栽培されていたようです。
ただし現在栽培されている品種は、ぶどうの祖先といわれる「ヨーロッパブドウ」と「アメリカブドウ」を交配したものが元で、明治時代に入ってから本格的に栽培が行われるようになりました。
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ブドウの見分け方
実の部分に張りがあり、軸が太く青いものを選びましょう。軸が茶色いものは収穫してから日が経っています。また果皮に白っぽい粉が付着していますが、これは水分の蒸発を防ぐための「ブルーム」というものです。この粉がまんべんなく付いているブドウは鮮度が良い証拠です。果皮の色は、実の色が黒や褐色のブドウは色が濃いものを、緑系のブドウは黄色っぽいものがベター。
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ブドウの保存方法
ブドウは日持ちしないので、なるべく早く食べるようにしましょう。食べきれない場合は新聞紙でくるむかビニール袋に入れ野菜室で保存します。果皮についた白い粉(ブルーム)は鮮度を保つ役割を持つため、食べる直前まで洗い流さないようにしましょう。なお、ブルームは食べても大丈夫です。
イラストはブドウの糖度分布です。ブドウは肩の部分(上のほう)が甘くなる傾向にあるため、下の部分から食べていくと甘みが強くなっておいしく食べられます(※糖度の差がほとんどないものもあります)。また黒ブドウや赤ブドウは、果皮の色が濃いほうが味が良いです。
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ブドウの栄養と効能
主な栄養成分(可食部100g中)
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カリウム(130mg)、ブドウ糖(7g)、果糖(8g)
注目成分
アントシアン、レスベラトロール(赤ブドウ)
主な効能
疲労回復、視力改善(赤ブドウ)、高血圧予防、動脈硬化予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、がん予防
ブドウの皮には、視力回復や活性酸素の除去に効果がある「アントシアン」が多く含まれます。アントシアンはポリフェノールの一種で、悪玉コレステロールの発生を防ぎ血液をキレイにする働きがあるといわれています。そのため、動脈硬化やがん予防にも期待ができます。デラウェアなどの赤ブドウには、強い発がん抑制作用を持つ「レスベラトロール」というポリフェノールも含まれています。
また、果実に多く含まれるブドウ糖や果糖は疲労回復に効果があるので暑い夏のエネルギー補給に最適です。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表)」に掲載しています。
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ブドウの種類
巨峰
「センテニアル」と「石原早生」を交配したもので、1942年(昭和17年)に誕生。正しい品種名は「石原センテニアル」で、「巨峰」は商標名として付けられました。今では黒ブドウの定番品種となっています 。果皮が濃い紫黒色をしていて、果肉は淡い緑色。締まりがある果肉は甘さも十分、果汁も多く優れた食味です。また昭和50年以降には「種なし巨峰」が生産されはじめ、こちらも人気です。成熟期は8月下旬〜9月上旬頃。
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デラウェア
食卓でよく目にするなじみ深いブドウ。粒が小さめで果皮が紫色をしていています。香りは少なめですが、果汁たっぷりで糖度が高く、種もないことから人気の品種です。1855年頃にオハイオ州デラウェアで発見されたため、この名前になりました。日本に導入されたのは1872年(明治5年)頃です。旬は7〜8月頃ですが、ハウス栽培のものは5月頃から出回ります。ちなみに、デラウェアによく似た大粒の「キングデラ(キングデラウェア)」は、親が「レッドパール」×「マスカット・ オブ・アレキサンドリア」で、デラウェアとは別の品種です。
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ピオーネ
「巨峰」と「カノンホール・マスカット」を交配して作られたブドウで1973年(昭和48年)に登録されました。大粒の紫黒色をしていて、1粒のサイズは15〜20gほどになります。酸味は少なめで甘みがあり、キュッと締まった歯触りのよい食感と上品な風味が楽しめます。時期は7月〜10月頃。主産地は岡山、山梨、広島などです。ピオーネは種ありと種なしがありますが、種なしのものは「ニューピオーネ」とも呼ばれます。
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キャンベルアーリー
アメリカ生まれの黒ブドウで、日本には1897年(明治30年)頃に導入されました。果粒は5〜6gと小さめで糖度は15度前後。完熟したキャンベルアーリーは濃厚な味わいです。主に岩手、青森、秋田などの東北地方で栽培されていて、8月中旬頃から収穫されます。「ムーアアーリー」と「ベルビデレ×マスカット・ハンブルグ」の交配品種です。
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どのように私は雑草を殺すん
マスカットベリーA
「ベリー」×「マスカット・ハンブルグ」を交配して生まれた糖度が20度前後になる甘くて濃厚なブドウです。1940年(昭和15年)に発表されました。山梨、岡山、福岡などで栽培されていて、出回り時期は8〜10月頃。赤ワインの原料としても利用されています。なお、種なしのものは「ニューベリーA」という名前で流通しています。
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ナイアガラ
甘くて香りの良い緑系ブドウです。アメリカ生まれで「コンコード」×「キャサディ」から誕生し、1893年(明治26)に日本に伝わりました。ジューシーで風味がよく、ワインの原料としても利用されています。主な産地は山形や長野などで8月下旬頃から店頭に並びます。また、果皮の赤い「レッドナイアガラ」もあります。
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スチューベン
アメリカ生まれで親は「ウェイン」×「シェリダン」。1952年(昭和27年)に日本に導入されました。果皮は黒く粒はやや小さめで、糖度は高いものだと20度以上になる甘いブドウです。主に青森を中心に栽培されていて、9月〜12月頃に出回ります。また8月上旬頃が旬の「アーリースチューベン(バッファロー)」という品種は「ハーパート」×「ワトキンス」で、こちらも甘い黒ブドウです。
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甲州
山梨原産のブドウで、800年以上も前から甲州地方で栽培されている歴史ある品種です。果皮は薄紫色で香りは控えめ。やわらかい果肉は多汁で甘みがあり、種の周りは酸味がやや強く、ほどよい甘酸っぱさが味わえます。収穫期は10月頃。甲州ワインの原料としても利用されています。
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赤嶺(せきれい)
「甲斐路」の枝変わりとして山梨市で発見された紅色の大粒ぶどう。甲斐路に似た外観で果肉は歯切れがよく、甘味が強くてほどよい酸味があります。「早生甲斐路」とも呼ばれ、甲斐路よりも2週間ほど早い9月上頃から出回ります。
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ロザリオ・ビアンコ
「ロザキ」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を掛け合わせたもので、1987年(昭和62年)に品種登録されました。やや楕円形の大粒ブドウで果皮は薄黄緑。果皮が薄いので皮ごと食べられます。酸味は少なく多汁で、上品な甘みがあり、高級ブドウとして人気です。出回り時期は9月頃。
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藤稔(ふじみのり)
「井川682」に「ピオーネ」を掛け合わせた品種で1985年(昭和60年)に品種登録されました。果粒は平均20g前後と大きく、果肉はやわらかめで果汁が豊富。糖度は平均17度くらいと甘くて、適度な酸味もあります。また皮離れがよく食べやすいのも特徴の1つ。8月下旬頃から出回ります。
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花鹿は食べません。
マスカット・オブ・アレキサンドリア
ブドウの女王と呼ばれ贈答用としても人気のマスカット。大粒で芳醇な香りと上品な甘さを持ち、糖度は高いものだと20度にもなります。また果皮が薄いため皮ごと食べることも可能です。9月〜10月頃まで楽しめます。ちなみにこのブドウはエジプトが原産で、明治時代初めに日本に導入され、現在では岡山を中心に栽培が行われています。
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ネオ・マスカット
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」×「甲州三尺」として1932年(昭和7年)に発表されたこのブドウは、アレキサンドリアを一回り小さくした感じで風味や食感はアレキサンドリアに似ています。マスカット特有の気品ある香りを持ち、果肉は締まりがありジューシー。糖度は17度以上と高めです。食べ頃は9月上旬頃から。
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安芸クイーン
1991年(平成3年)に登録された比較的新しい品種で、その名の通り広島で生まれたブドウです。「巨峰」の自家受粉から育成されました。果皮は鮮やかな紅色で、果肉はほどよく締まっていて食味良好。糖度は18〜20度と高めです。種なしということから人気が高まっています。シーズンは8月〜10月頃。
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甲斐路
山梨の特産で、紅い色をしたマスカット。「フレームトーケー」と「ネオマスカット」から生まれ1977年(昭和52年)に登録されました。ほのかにマスカットのような香りがあり、コクのある甘さとみずみずしさが人気です。1粒の重さは10g前後で、粒が落ちにくいため贈答品にも適しています。旬は9月〜10月頃。
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シャインマスカット
「安芸津21号」×「白南」の交配で育成され2006年(平成18年)に品種登録された緑系のぶどうです。大粒でマスカットの香りを持ち、糖度が20度前後と高くて酸味は少なめ。種なしのものが多く、皮が薄いため、皮ごと食べられるのが特徴です。食味が優れているだけでなく、果肉が締まっていて日持ちがよいことから栽培量が増えてきています。
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瀬戸ジャイアンツ
別名「桃太郎ぶどう」ともいい、岡山の名産として人気のブドウです。親は「グザルカラー」×「ネオ・マスカット」で1989年(平成元年)に品種登録されました。1粒20〜30gになる大粒ブドウで、皮ごと食べられるのが特徴。旬は9月末〜10月初旬頃で、果汁が豊富で甘く、酸味はあまりありません。ちなみに「桃太郎ぶどう」は桃太郎生産組合の登録商標なので、この組合員以外が生産したものは「瀬戸ジャイアンツ」として流通します。
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マニキュアフィンガー
「ユニコーン」と「バラディ2号」を交配した品種です。果粒が楕円形で、付け根が黄色く先端が赤く染まることからこの名前になりました。適度な酸味と甘みがありパリッとしたさわやかな食感で、皮ごと食べられます。旬は9月上旬頃。これによく似た名前で、「ゴールドフィンガー」や「レディースフィンガー(ピッテロビアンコ)という品種もあります。
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品種ごとの作付面積
ブドウの作付面積の1位は「巨峰」で主産地は長野県(約1,733ヘクタール)。2位は「デラウェア」で山形県が主産地(約1,166ヘクタール)、3位は「ピオーネ」で岡山県(約951ヘクタール)が主産地です。
12位のニューベリーA以下の順位は、ポートランド、マスカットオブアレキサンドリア、早生デラウエア、コンコード、ネオマスカット、高尾、安芸クイーン、甲斐路、高墨、バッファロー、シャインマスカット、紅伊豆、キングデラ、ヒムロッド、ブラックオリンピア(以下30品種)となっています。
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主な輸出入先(貿易相手国)
生鮮ブドウの輸出量は約319トンで、輸出先は台湾が約198トン(約2億7000万円)、香港が約101トン(約1億2000万円)、シンガポールが約19トン(2600万円)です。そのほか、ロシア、オマーン、アラブ首長国連邦、インドネシア、タイ、マレーシアにも輸出されています。
総輸入量は約12,625トン(2009年は約7,550トン)。輸入先のトップはチリ、2位はアメリカで、この2国だけで約99%を占めます。貿易額はトータルで約28億円(2009年は約16億円)です。
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年別輸出入量
グラフにマウスカーソルを合わせると値が表示されます。「輸出量と貿易額」ボタンをクリックすると、近年ブドウの輸出量が伸びていることがわかります(※輸入量や貿易額の単位はグラフごとに違うのでご注意ください)。
輸入量・貿易額比較用グラフのページはこちら。
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主な産地と出荷量
ぶどうの年間出荷量(2009年)のトータルは約184,800トンで、山梨県や長野県、山形県、岡山県など全国各地で栽培されています。
「栽培面積の推移」ボタンをクリックすると、柿の栽培面積の推移を見ることができます。また「果物統計(栽培面積比較用グラフ)」では栽培面積の推移をほかの果物と比較できます。
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世界の主要生産国
世界のブドウの生産量を詳しく見る(果物統計のページ)
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ブドウの写真
ブドウの写真は「果物写真」のページにもあります
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