ヨガの効用 » Markshveima.com
アーサナ
瞑想
文献とマントラの学習
「あれはオークの木」、「あれはバンヤンの木」と植物に関する知識に基づいて、目にした木の名前をあげていく。けれども、あなたが口にしたその名前は、本当はあなた自身と木との対話を通して生まれてきた言葉ではないのを、でも、思考があなたに、そう思い込ませていることを知っていますか。木に触れるには、まず、手をその肌に置いてみることから始まるのです。名前を使ったところで、木に触れることはできないのです。
〜クリシュナムルティ〜
はじめに
ヨガを日常的に、しっかりと知識を備えた熟練した先生のもとで実践していくと、生徒さん(sadhakaサドハカ)には、その効果が豊作となって実りがもたらされていくことでしょう。
ヨガの効用を分かりやすくお伝えするために、アーサナ、瞑想、そして文献やマントラの学習と大きく三つのカテゴリーに分けました。それぞれのカテゴリーで はさらに、生理面(身体)、知性面(思考)、感情面(心)という三種類の側面にもたらされる効用を紹介しています。果てしなく長いものを羅列していく代わ りに、大まかな概要をご紹介していこうと思います。ここでご紹介するものは全て、私自身の経験に基づくもの、そして私に指導する恩恵を授けてくれた生徒さ んからの実際の経験に基づいたものです。
もし、疑問に思うことがあったり、もう少し詳しい説明が欲しいといった場合には、どうぞ遠慮なく私まで連絡してください。
アーサナ
アーサナとは、ハタヨガのポーズの練習を指します。一番良いとされる練習は、バランスのとれた包括的なもので す。立位、座位、逆転と横たわるポーズが組み込まれ、片足でのバランスやハンド・バランスも取り入れたものです。またそれぞれのカテゴリーには、色々なか たちでのツイスト、前屈、ヒップ・オープナー、そして後屈も盛り込まれていることが大切です。ポーズの種類や難しさは、生徒の許容範囲に合わせて調整して いきます。知識のある先生であれば、初心者から練習を積んだ実践者まで、それぞれのレベルに対応したヴァリエーションやそれに代わるものを提案してくれる はずです。
《生理面の効用》
オークの木を描画する方法
筋骨格組織を通してのスタミナ増進や体力と柔軟性の向上が、アーサナの効用としてあげられます。
ハタヨガの練習を正しい呼吸法と一緒にして行えば、身体に溜まっているストレスや感じられる違和感、または不快感を解放していくという効用を得ることがで きます。ヨガのセラピーが的確に施されると、怪我を回復へと向かわせる効用を発揮します。さらに規則的にアーサナの練習を行っていればその前の段階で、怪 我へといたるのを防ぐ効用もあります。またアーサナの練習は、心臓血管、消化器官、内分泌腺系、免疫系統、中枢神経系など様々な精密な体内器官を、調和さ せて働きを助ける作用があります。
また、瞑想の準備としても効果的で、瞑想中の座り心地をさらによいものへと変えてくれます。
《知性面の効用》
自分自身と周囲への意識の向け方を教えてくれる、ということが効用としてあげられます。
まず、難しいポーズを行うときに、集中力をしっかりもって取り組みます。ポーズの最中に、自分がどのように身体を動かしているのか、そして、どのように身 体が占めている空間とその位置関係を感じとっているのかを、よく観察してみてください。身体の動きと呼吸を合わせることに注意を払いながら、規則正しく練 習を繰り返していくと、あなた自身や周囲の環境について感じ取ることができる意識をより成長させていくことができるでしょう。このように周囲や自分自身と の間で調律を整えていくように意識を向けることで、自身の許容範囲を広げ、直観が住む世界と調和がとれるようになっていきます。
《感情面の効用》
身体におけるストレスと関連していて、そのストレスの軽減によって自分に対する自信がうまれてきます。身体を良い状態に保っていると、その身体に自分が収まっているということに対しても気分がよく、大きな喜びが広がっていく感覚を味わうでしょう。この感覚 を保つことで、人生で挑戦を迎えるような場面では、穏やかで揺らぎない態度を、いっそう強く保ちながら挑んでいくことができるようになります。
瞑想
瞑想法の種類に関して言えば、アーサナと同じぐらい、もしかするとそれ以上あるかもしれません。ご自身の好きなものや必要としているものとの出逢い を探し求めながら、いくつかの方法を試していくことをお勧めします。しかし瞑想の効用をきちんと得るためには、最終的にはひとつの方法に決めて、しばらく の間それを続けていくことが大切です。
《生理面の効用》
心と体内のクレンジングができます。これは、身体の外側というよりも内側に作用して、思考と心の影響が身体に及んだ結果としてもたらされるものです。
どのように栗の木が開始され
瞑想を実践するともたらされる根本的な効用には、穏やかな感覚を生みだしてストレスを解放していくというものがあります。しかしこの効用は、精神的 なものだけに留まらず、私たちが感じるストレスの高さを司っている様々な体内器官へも影響を及ぼしています。人は、存在の一部として、最も深いところに微 かなエネルギーの母体を持ち合せています。そこは、知らず知らずのうちに毒が溜まってきやすい場所です。規則的に瞑想を実践していくと、一年ほどで、そこ に溜まった毒が溶け始めます。この集積された「心の毒」を外に吐きだしていくと、それと同時に体内のクレンジングも行われ、身体が若々しい生気と、神聖な ほのかな光でいっぱいに満たされた状態に変わってきます。
《知性面の効用》
ここでもたらされるのは、人生の旅路に関する洞察です。
これはアーサナによって生まれた「気がつく能力(意識)[1]」をさらに深く研ぎ澄ませていった結果として、もたらされます。正しい方法で瞑想を実 践していくと、あなたの「気づき」は意識[2]が抱きかかえている空間へと、導かれていきます。その空間は、身体と思考の間を往来している、一番微かなエ ネルギーに触れることができる場所です。人生の道のりに関する最も深い洞察は、このエネルギーに触れることで、受けとることができます。
*1 Awareness
*2 Consciousness
《感情面の効用》
感情面にもたらされる効用は数多くありますが、生きているということ自体に満足感をもたらすことが大きな効用のひとつとしてあげられます。
アーサナの実践で得る「気がつく能力」を成長させていくと、あなたの本質に見られる傾向や、心が持つ習慣や感情パターンをはっきりと把握できるよう になります。そうすると、自分の感情において、身動きがとれなくなっている場所を見つけ出し、そこに向かって働きかけていくことが、初めてできるようにな ります。心をぎゅっと締め付けているエネルギーを緩めていくと、人生に秘められた溢れるような豊かさに対して、心がよりいっそう開きやすい状態になりま す。人生に対しての経験が満たされたものであると、心の中、その中心核には、きらきらと光り輝く喜びが生まれ、だんだんと広がりそのうちに心をいっぱいに 満たして外へと溢れるという状態がうまれます。
あなたの意識を、最も微細な意識の一番深いところまで沈めていくと、しっかりと地に足の着いた、けれども大きく広がっていくような、穏やかな満足感をそこで受けとります。その満足感は人生のあらゆる場面において、行き届いていくものです。
文献とマントラの学習
フクシアのmagellanica方法に適応環境
ヨガの文学は数知れないほどあり、なかにはパタンジェリの『ヨーガ・スートラ』や『ハタヨガ・プラディピカ』、また『バガヴァッド・ギーター』のよ うによく知られているものもあります。これから、ヨガに真剣に取り組んでいこうという方には、意味が深く雄弁な言語で記されている、このような少し難しい 本を読んで消化していく方法が、豊かな歴史を探検していくための最も良い方法です。こういった文献を、知識のある先生のもとで学んでゆくことだけが、理解 への速度を上げてくれることでしょう。
マントラに関して言えることは、定期的に実践をしながら、よく慣れ親しんできた先生からのみ教わるべきものだということです。その理由は、意味を深く理解せずに与えられると、その効力を失ってしまうという性質がマントラにはあるからです。
《生理面の効用》
知性面との効用と連動して、さらなるリラクゼーションをもたらします。
文献を学ぶこということは、人生に次々と起こる出来事に、どのようにパターンと一連の連続性が授けられ、また、どのようにカテゴリー別に分類されて いるのかということを理解していくことを指します。少しずつ理解を始めると、誤解や未知から発生した、萎縮して強張っていた気持ちに、ゆるみが生じてきま す。この状態は、身体と思考をリラックスさせて中枢神経にもよい影響を及ぼします。
マントラは、効力のとても強い道具です。知識をしっかりと持ち合わせた先生のもとで学んでいくと、マントラの波動が微細なエネルギー体を浄化し、そして活力を与えていくという作用が働きます。そして、エネルギーだけではなく、肉体へも反映されていきます。
《知性面の効用》
知性面での効用は、たくさんありますが、世界に対する認識能力を高めるということが、その一つとしてあげられます。
文献を読み解いていくと、人生に深く秘められた崇高な領域に、だんだんと足を踏み入れることになるでしょう。文献を通じて、私たち一人ひとりの存在 自体が、宇宙の雄大な構想に占めている位置について、探っていくことになります。しかし、このような哲学的領域の問いは、必ずしも絶対的で明解な答えを用 意しているとは限りません。それでも、そういった問いについてじっくり取り組んでいくと、私たちの認識能力は高められるという効用があります。文献の学習 を通じて、心に響いたものを取り入れて実践していこうという試みは、自分自身についての理解を深めることにつながり、私たちが生活するこの世界に関する知 識も大きく押し広げられていくことになります。
マントラを記憶していくと、知識を保存しておくための容量が大きくなり、異なる視点をいくつも迎え入れられるようになります。
マントラに集中して取り組んでいると、集中する力と同時に、広がっていくような意識がそこに存在していることに気がつくでしょう。マントラの効用 は、次のような練習によく説明されています。例えば、木を観察してみるとしましょう。近くに寄って細部まで観察しながら、同時に遥かに後ろにさがって、そ の木が属する森全体を見ることができる、俯瞰的視野も持ち合せているといった感じです。一度に、異なった角度から物事を見ることができる視点を持つと、思 考の容量は広がり、二つ以上の異なる概念を一緒に保有することが可能になります。
《感情面の効用》
感情面に与えられる効用は、とても深いものです。感情の緊張感を「死」についての見解をえることで、解きほぐしてくれます。
みなさんご存知の通り、ヨガには幅広いさまざまな流派があり、多くの点で異なっています。その一方で、中枢核となる思想に関しては、全ての流派で視 点を同じくしているようです。すなわち、死というのは存在の一部であるという考え方です。心に静けさと潔い優雅さを忘れずに、固執することなく、生を手放 す準備ができた状態で、一生の最期を迎えることができたなら、それはとても高いところにまで到達したことを示します。私たちの多くは、自分の生や、共に時 間を過ごし共有する周りの人たちの生に執着し、依存しながら人生を過ごしています。もし、「死というのは、単に人生のもうひとつの段階にしかすぎない」と 理解ができるほどに死を間近に感じ、触れる経験をしたことがあるならば、それを恐れたり、どうにか回避する方法を探し求めたりする必要はないということに 気がついているはずです。そう気がついたのなら、心の中に重く居座っていた萎縮して強張っていた感情が、ほんの少しだけゆるんで、溶け出していくのを感じ ることでしょう。そこにうまれた新たな空間には、広がり膨れ上がるような満足感が沸き出してきます。まるで、心の内に閉じ込められていた重たく深いため息 を、ゆっくりと吐き出していくように感じるはずです。
私たちの中には、この世界に息づく全ての生命と直接関係を結んでいる部分があります。マントラは、あなたがその部分との交信を、楽によりいっそう密 接にとれるように促し、それによって、死に関する理解を通じて引き起こされる感情面のリリースを助ける働きをしています。ここで得た「つながる」という感 覚は、それがどんなに短いものであっても、私たちは存在の本質要素において永遠性へとつながっている、という理解をもたらしてくれるものです。つまり、本 質で捉えたときの存在というのは、時間、空間、生または死とは無縁の永遠性を帯びているということを知ることができるのです。
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